ルーターとは何か
家庭内LANを構築するのに重要なルーターについて説明していきましょう。
ルーターはどんな役目を持つものかと言うと。
- つながれている各パソコンにそれぞれ番号を振る。
- モデムを使ってインターネットにつなげる。
- インターネットから持ってきたデータを各パソコンに渡す。
- 要求していないデータ(不正アタック)は各パソコンまで渡さない。
LANを組む際に必ずルーターが必要というわけではないのですが、ルーターを使わない場合は自分でサーバーを用意しないといけなくなります。サーバーは上記のような機能とホームページ配信などのネットワークサービスを設定してあるパソコンの事で、常に電源が入っていなくては意味がありません。
1台のパソコンを立ち上げ放しにするよりは、コスト的にも大きさ的にもずっと便利ですね。
ルーターのスペック
ルーターの性能について説明していきましょう。
ルーターが処理できるデータ通信の速度。モデムとパソコンの間にルーターを入れると、通信速度はどうしても落ちてしまいます。これはルーターがデータを確認しているからなのですが、その最大速度はルーターの性能によって決まります。
家の中のパソコン同士でファイルを移動させる場合もこの速度が影響します。ただし、インターネットは回線速度を超えた速度が出ることはありません。
家の中のパソコン同士でファイルを移動させる場合もこの速度が影響します。ただし、インターネットは回線速度を超えた速度が出ることはありません。
プロバイダに指定された方式とあっていることを確認してください。一番多いのはPPPoEという接続方式。ヤフーやCATVにはDHCPという接続方式の場合もあります。ほぼ全ての個人向け製品は対応しています。
ルーターは電源を入れたままにしておくため、発熱が高くなります。熱の持ち方は実際に使ってみなくてはわからないのです。必ずではないですが消費電力が低い物のほうが発熱量は低いと予想できます。
インターネットのサービスには様々な物があるので使用したい機能がちゃんとサポートされているかを確認する必要があります。代表的なものをいくつか上げます。
- DHCP
- ほぼ全てのルーターが持っている機能です。パソコンをつなげた時点で各パソコンに番号(LAN側IPアドレス)を振っていく機能。これにより、Windowsは接続してすぐにネットワークに接続する事が出来ます。ただし、自動で振られていくので、特定のパソコンをいつも同じ環境に保つ事が出来ない場合があります。その場合は手動でIPアドレス(LAN側)を指定します。
リース時間:自動で振り分けた登録を保存しておく時間。この期間の間に接続が無いとまだ番号を振られていないパソコンとして新しいアドレスが振られます。
開始アドレス:自動で割り振る番号の一番小さい数字。100と指定すると、100,101,102・・・と順番に割り振られていきます。 - フォワーディング IPマスカレード
- 呼び方がメーカーで違っている場合がありますが、ほぼ全てのルーターが持っています。インターネットではポートという区別でゲームや通信ソフトがデータを送りあっています(例えばポートに80という数字が付いていればホームページのデータ。110という番号が付いていればメールのデータと言った具合)。
ルーターは良く使われるデータは各パソコンに振り分けれるのですが、ゲームなどの特殊なデータは自動で振り分けれない事があります。その場合にルーターがポート番号別の送り先を登録する事が出来る機能です。
送り先の指定にはIPアドレス(LAN側)を使うので、DHCPを利用して自動で振り分けている場合は解除するか、使用しないアドレスにパソコンを登録する必要があります。 - UPnP
- Webカメラなど、パソコンで使用している周辺機器をネットワークで使う時に自動で認識してくれる機能。普及している周辺機器は上手く動作するのですが、新製品などは不具合が出る場合があるので確認が必要です。
- DDNS
- ADSLなどは切断するとプロバイダから割り振られるIPアドレス(WAN側)が変わってしまいます。自宅のネットワークにインターネットから接続する場合にはIPアドレス(WAN側)を使うとつなげれるのですが、毎回変わってしまうと大変なので文字で名前(www.xxxxx.co.jpなど)をつけることが出来ます。
通常はアドレスが代わらないIPアドレスに名前をつけるのですがDDNSというサービスを使うとIPアドレス(WAN側)変わっても登録した文字でアクセスできるようになります。
- VPNサーバー機能
- 自宅に設定したLANと他の場所にあるLANを一つのLANのように見せてくれる機能。バーチャルプライベートネットワークと呼びます。基本的に、お互いのLANにはVPNサーバーが必要になりますが、ルーター付属の機能である場合、同じ製品を二つ使う場合のみをサポートしています。
PPTPやIPsecに対応しているだけの製品はVPNサーバーを設置できるという事で、ルーター自体がVPNサーバーになるという事ではありません。別途サーバーを構築する必要があります。 - ファイアーウォール(ステルス機能/ステートフルパケットインスペクション)
- 不正アタックが行われる場合、現在使用しているポートを探してからアクセスを狙う場合や大量のデータを送信してくるのですが多いのですが、不正アタックと思われる<通信に反応しない機能のこと。
- DMZ
- インターネット側からのデータを全て転送する仕組み、ただし送り先が登録されているデータはこれに当てはまらない。
製品仕様にはこれらの機能が示されています、これらの設定手順や詳しい通信方法は専門のページでお願いします。
ネットワークハブは何を見る?
次にネットワークハブでの購入基準を考えて見ましょう。
通信速度によるわけ方
100Mまでの通信が出来るハブ、モデムは100Mまでの通信しか出来ないので、通常はこのタイプでかまわないです。
1000Mまでの通信が出来るハブ、パソコンについているLANカードが1000Mの通信に対応していなくてはいけません。また、データが伝わっていく経路もすべて1000M通信に対応している必要があります。
例:パソコン1→LANケーブル→ネットワークハブ→LANケーブル→パソコン2
製品の違いは?
ハブの場合は製品スペックも気になりますが使用の仕方に重点を置いたほうが良いでしょう。
メタルケースとプラスチックケースがあります。ネットワークハブは発熱が大きいので、メタルケースの方が冷却効果が期待できます。
コンセントの部分にACアダプタが付いているタイプと、本体に内臓しているタイプがあります。もちろんACアダプタが外の部分にある方が本体自体は小さくなりますがOAタップを使う場合に大きくて差し込めない事があるのでコンセントの余裕を考慮しましょう。
小型のネットワークハブにはマグネットが付いていたり、壁掛け用の金具が同梱している物があります。やはり設置場所を考えて利用するのが良いですね。
こちらはネットワークの通信速度に影響するはずなのですが、個人利用ではそれ程大きく実感する事は無いです。
LANケーブルについて
ケーブル自体は形状などが統一しているので、基本的に通信自体は出来ます。ただし、利用できる通信を使い切ることが出来ない場合があるので注意してください。
LANケーブルには送信用の線と受信用の線が決まっています。ネットワークハブに接続する時はストレートケーブルでかまわないのですが。パソコンとパソコン、またはパソコンとネットワークプリンターなどを直接つなぐ時はクロスケーブルを使って、送信側と受信側の線が直接つながるようにしています。
製品の端子がAUTO-MIDI/Xという規格に対応していなくてはクロスケーブルは使えません。(現行の製品は対応しています。)
UTPは通信用のケーブルが被服で包まれているだけの物です。STP(シールドツイストペア)は通信用のケーブルが他の素材で包まれていて、ノイズが入らないような構造になっています。STPは主に電波干渉が強い業務用途に使われています。
ケーブルは目安としてカテゴリーという分類をしています。精度によって分類されています
カテゴリー5:100Mの通信までに使用
エンハンスドカテゴリー5:100Mで充分な速度、1000Mまでの通信が可能
カテゴリー6:1000Mの通信で十分な速度が期待できる。
現在、カテゴリー7はまだ普及している状態ではないです。エンハンスドカテゴリー5:100Mで充分な速度、1000Mまでの通信が可能
カテゴリー6:1000Mの通信で十分な速度が期待できる。